れきちずとは

「れきちず」は、「現代風の地図デザイン」の歴史地図を閲覧できるサービスです。古代から現在、そして未来まで一気通貫に閲覧できるWeb地図を目標としています。
これまでにも、古地図を現代の地図と重ねて表示できるサービスはいくつかありましたが、いずれも「古地図風」のデザインを踏襲しており、多くの人にとっては直感的に理解しやすいとは言い難い部分がありました。また、対象地域が江戸周辺などに限られていました。そこで「れきちず」は誰にとってもわかりやすく親しみやすい「現代風の地図デザイン」で、日本全国にわたる歴史地図を提供することを目標として制作を進めています。
2024年5月1日より、作者が所属する株式会社MIERUNEによって運営されています。

現在公開しているマップについて

江戸時代後期(1800〜1840年ごろ、文化・文政・天保年間)を想定した地図になります。現状、村名が江戸近郊にしかない、地点(POI)が少ないなど不完全な箇所もあります。順次追加していく予定です。
地形の3D表示については現在の地形を表示しています。そのため、当時とは異なる地域があります。

移管の経緯

2023年8月に作者・加藤の個人プロジェクトとしてスタートした『れきちず』は、多くの反響を頂き様々なメディアに取り上げていただきましたが、同時に様々な要望も寄せられています。歴史地名に関するオープンデータの公開によってさらに多くの情報が反映できる状況に変化したことや、比較機能・ベクタタイル化のようなより高度な地図表現について加藤個人の力だけでの更新運営の限界を感じるようになりました。
これらの課題を受けて、作者が所属する株式会社MIERUNEの協力のもと『れきちず』の運用体制を強化することとなりました。MIERUNEの位置情報に関する技術力を活用することで高品質な地図サービスの提供を可能にし、サーバーなどのインフラ環境も強化することで安定した利用環境を実現します。
詳細はプレスリリースをご覧ください。 社員の個人プロジェクト『れきちず』を事業承継へ

今後のロードマップ

現在、再検討中です。

地域別の進捗状況

正式公開中
●茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県

暫定公開中
●山梨県・静岡県・長野県

謝辞

移管前の旧「れきちず」にて、下記の方々よりご寄付をいただきました。心よりお礼申し上げます。

お問い合わせ

ご意見・ご感想・誤り等がございましたら、お問い合わせフォームよりお知らせください。

運営について

運営:株式会社MIERUNE・加藤 創@chizutodesign

江戸マップ「れきちず」データセット

ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターと共同で「江戸切絵図」全29枚の町家領域を抽出しました。データはれきちずに掲載しています(地図の薄茶色に塗られた箇所)。
データセットはGIS形式としてダウンロード可能です。詳細はこちらのページをご覧ください。

「デジタル伊能図」について

「デジタル伊能図(©東京カートグラフィック2015、©河出書房新社2015)」は、伊能忠敬(1745-1818)が作成した「大日本沿海輿地全図(通称「伊能図」)」に、現代図との比較ができるよう幾何補正を施し精密にデジタルデータ化したものです。
この度は特別に許可をとって「大図」214枚のデータを「れきちず」へ掲載、ユーザーの皆様へサンプルとして提供しております。下記より詳細をご覧ください。
WEB版デジタル伊能図【お試し版】(WEB版制作・運営:TRC-ADEAC株式会社)

更新情報

2023/08/27 サイト開設
2023/08/30 地図の一部を修正
2023/10/05 地図の村を追加
2024/03/03 今後のロードマップ、メディア掲載履歴を追加修正
2024/05/01 株式会社MIERUNEへ移管、地図をベクター化、江戸切絵図3枚分追加
2024/06/01 追加データ(『日本歴史地名大系』地名項目データセット、『江戸マップデータセット』)を搭載
2024/07/01 検索機能追加、3Dの空表現に対応
2024/08/29 江戸切絵図のうち13枚の作業が完了、追加
2024/10/22 江戸切絵図全29枚の作業が完了、追加
2024/10/29 「デジタル伊能図」を追加

メディア掲載履歴

2023/08/28 ITmedia NEWS 普通の地図なのに江戸時代? 「れきちず」β版公開 地図システム会社のデザイナーが個人で開発
2023/08/30 攻城団 お城ニュース 【8/27】江戸時代のGoogleマップ「れきちず」公開
2023/08/31 ABEMA「ABEMA NEWS」にて放送
2023/09/01 テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」にて放送
2023/11/01 統計と情報の専⾨誌「エストレーラ」11月号 GIS最新トピック ―GIS Now!―〈90〉「れきちず」
2023/12/01 地図中心2023年12月号 《地図づくり最前線 016》 現代の地図デザインで昔の日本を再現した「れきちず」
2023/12/11 朝日新聞デジタル 江戸時代のグーグルマップ!? 原宿村に横浜村……「れきちず」公開
2023/12/16 朝日新聞夕刊紙面に掲載 ネットの地図で、ぶらり江戸時代 趣味で作成、参考文献は120点超
2023/12/20 INTERNET Watchに掲載 地図や路線図でいろいろデザインするのって面白い! 現代の地図デザインで江戸時代の日本を表した「れきちず」が話題
2024/02/15  デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回 AMDアワードの<江並直美賞(新人賞)>を受賞
2024/05/22 INTERNET Watchに掲載 歴史好きにはたまらない! 江戸時代なのに現代風デザインの地図サイト「れきちず」が3D表示に対応
2024/09/27 テレビ朝日「気づきの扉」にて放送

発表履歴

2023/09/04 第5回 「地理空間と言語処理」勉強会にて発表
2023/09/09 地理院地図ファンクラブ 2023年9月定例会にて発表
2023/11/02 #さくらのマイクロコミュニティ (Webサービス開発者の会) #10にて発表
2023/11/29 FOSS4G-Asia 2023 Seoulにて発表
2024/08/24 フロントエンドカンファレンス北海道2024にて発表

タイルデータの利用について

れきちずのタイルデータ・スタイルはCC BY-NC-ND 4.0の下、自由に利用することが出来ます。すなわち、公開するタイルデータ・スタイルをそのまま用いる限り、タイルを利用した地図の作成が可能です。
タイルのURLはhttps://mierune.github.io/rekichizu-data/tiles/v1/{z}/{x}/{y}.pbfです。
スタイルのURLはhttps://mierune.github.io/rekichizu-style/styles/street/style.jsonです。
なお、「れきちず」内で動かせるエリアの外(関東以外の地方)については準備中のため、現時点では未実装となっています。

追加データについて

『日本歴史地名大系』地名項目データセットについては明治初期まで、『江戸マップデータセット』については1850年代の情報が含まれています。そのため、「れきちず」の想定する年代とは多少のずれが存在します。

参考文献一覧